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養子縁組Story#01 - Tokyo里親ナビ|子どもと里親の暮らしを知るサイト

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養子縁組Story

養子縁組Story#01

C谷さんご夫妻(41歳×41歳)

「3歳になったK美ちゃん。たくましく成長しています」

C谷さんご夫妻は2016年、児童相談所の紹介によって当時8か月だったK美ちゃんを迎えました。K美ちゃんは現在3歳に成長し、C谷さん夫妻は共働きを続けながら、日々子どもの成長を楽しんでいます。「不妊治療に区切りをつけ、養子縁組里親になって本当に良かった」と話すC谷さんご夫妻に、日々の暮らしを伺いました。

(聞き手=宮内珠希、文・写真=清水麻子)

 

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profile

C谷さんご夫妻  <2015年、東京都の養子縁組里親登録>

妻(ママ)大学講師。台湾出身。大学在学中に日本へ1年間交換留学し、台湾に戻って大学院(博士前期課程)を修了。その後、日本の大学院(後期課程)に進学するため再来日。趣味は読書。好きな作家は向田邦子。 

夫(パパ) 会社員。大学卒業後、エンジニアに。現在は自動車メーカーの事業戦略担当として働く。趣味は、旅行。

※年齢は2018年8月現在

義母(ばあば)の一言がきっかけで

━━養子縁組をしようと思ったきっかけから、教えてください。

 

妻(ママ) 子どもが欲しくてもできなかったので、結婚して3年目くらいから不妊治療を始めました。2年ほど休んで、けっきょく10年続けました。病院も3か所、まわりましたが子どもには恵まれず、これといった理由も分かりませんでした。精神的にもつらかった時期に、義母が「治療するよりも、養子を迎えるのもいいわよ」とアドバイスをくれました。

 

夫(パパ) 実家の近所に養子を育てていた家があったんです。母は、その姿を間近にみていましたし、昔は養子を迎えることは普通にあり、違和感もなかったようです。

 

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C谷さんご夫妻

 

━━養子に対する奥様のご実家の考えはいかがでしたか? 台湾は養子や里子への考え方は、どのような感じなのでしょうか?

 

妻(ママ) 台湾では、養子や里子を育てることは普及していなくて、私の周りにも養子や里子を育てている家庭はいませんでした。私の母は10年ほど前に亡くなっていて、養子を受け入れることは父に相談しましたが、「何でも自由に」という考えの父なので「自分で決めたことだから、やってみたらいいんじゃない」と、背中を押してくれました。

 

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K美ちゃんは、ママが大好き。ママもK美ちゃんが大好き。

 

━━養育家庭(里親)ではなく、養子縁組を選んだのは?

 

妻(ママ) 養育家庭(里親)も素敵だと思いました。でも、いつか生みの親に子どもが戻る可能性があることを考えると、つらいだろうと思いました。ですから私たちは養子縁組のほうを選び、夫が児童相談所や民間あっせん機関のことをいろいろ調べてくれました。

 

━━児童相談所と民間あっせん機関の違いはありましたか?

 

妻(ママ) 民間機関の費用には、実親の出産費用や、民間団体の運営費もその中には含まれていましたので、お金がかかることが分かりました。一方の児童相談所は無料でしたが、子どもが委託されるまでに数年、時間がかかるということを聞きました。私たちの年齢を考えると、なるべくなら早く、子どもを迎えたいと思いました。

 

夫(パパ) それで夫婦で話し合って、児童相談所と民間あっせん機関に同時に登録し、並行して手続きを進めることにしたんです。結果的に、児童相談所のほうからの連絡が早かった。登録して約1か月後に「紹介したい子がいる」という電話をいただきました。K美ちゃんは外国籍の子なのですが、私たちが「国籍にかかわらず受け入れたい」という希望を出していたので、スピーディーに紹介されたのかもしれません。

 

妻(ママ) 結果的に児童相談所の紹介で本当に良かったと思ったことの一つに、養子縁組成立後に里親サロンがあります(※養子縁組里親Q&A参照)。サロンには同じ立場の方が多くいらしているので、「いつ、どうやって真実告知をする?」といった養親ならではの悩みもざっくばらんに話し合うことができています。私にもK美ちゃんにとっても、非常に貴重な繋がりの場になっています。

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仕事は制限し、子育てを優先 

━━お仕事と子育ての両立は、いかがでしょうか?

 

妻(ママ) 充実しています。ふつう子どもは保育園の1年目に風邪をひいたり熱を出したりするといいますが、K美ちゃんは健康な子で、ほとんど病気で休んだことがないんです。ブロッコリー、大根、にんじん以外の野菜は苦手なのですが、保育園では完食してくれます。

明るく、前向きで育てやすい子なのですが、ただ社会的養護のもとに置かれた経験がある子でもあるので、配慮は必要だと思っています。私も仕事をセーブして、なるべく早めに一緒に夕食をとるようにしています。特に今はイヤイヤ期で「ママと一緒じゃないといやだ」ということも多くなってきているので、仕事以外の時間は一緒に深く過ごす時間を作るようにしています。

 

妻(ママ)のスケジュール
5時半

起床 朝食の準備

6時 K美ちゃん起床
6時半 2人で朝食
6時45分~7時 パパ起床 朝食 出勤 
7時45分まで 出勤
9時 大学着 仕事開始
15時~16時 仕事終了(木曜日は会議で遅いので、義母(ばあば)が手伝い)
買い物をして、17時までに帰宅 食事作り。
18時前 K美ちゃんを保育園に迎えに
18時半 2人でおしゃべりをしながら夕食
19時半 夫(パパ)帰宅
20時ごろ K美ちゃんとお風呂 読み聞かせなど
21時 K美ちゃん就寝
22時以降 就寝

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パパは10か月の育児休業を取得

━━お父さんは、毎日の子育て、いかがですか?

夫(パパ) 僕はK美ちゃんを迎えるにあたり、10か月の育児休業を取得しました。人事の方に聞いたら「どんどん休め」と言ってくれたんです。育休中は、「この世で一番、頼りにされている」というなかなかできない経験をさせてもらいました。一緒にご飯を食べたり、寝かせたり、一緒に遊んだり。僕にとっても、楽しい日々でした。


5
パパ-、かくれんぼしよう。

 

夫(パパ) 大変だったのは、書類の手続きでした。外国籍だったK美ちゃんは、さまざまな申請が必要でした。養子縁組が成立したら、まず新しいビザを申請する必要がありました。ビザがとれ、ようやくK美ちゃんを僕たちが住んでいる自治体の住民票に入れることができ、予防接種などもできるようになりました。

いちばん大変だったのは、帰化申請でした。帰化申請の書類は、封筒に150枚くらい入っていて、それをひとつ一つ記入していくのは本当に骨の折れる作業でした。K美ちゃんを寝かしつけて、その間に頑張って書類を書きました。生みの親の国の大使館に出向き、国籍証明書をとりに行く必要もあったので、抱っこして行政機関に連れていったりしました。

 

━━今は、落ち着いたのでしょうか。

 

夫(パパ) はい。半年前に帰化の手続きが終わり、ようやく安心して、ふつうに暮らせるようになったと感じています。いまはK美ちゃんが養子であること自体を忘れるくらい、自然に暮らせるようになりました。「長女」と記載された戸籍を見ても、嬉しく思います。

大変でしたけど、こうしてK美ちゃんもC谷家という家庭で永久に安心して過ごせるようになって、本当によかったと思っています。

 

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さまざまな手続きを踏んで、ようやく家族になれた。

日本と台湾、そして生みの親の国の架け橋として

━━将来、どんな子に育ってほしいなどの夢はありますか?

 

妻(ママ) K美ちゃんは、本当にいろいろと好奇心が旺盛な子で、行動を見ているだけで楽しいんですね。だから将来もこのまま、感情豊かに、いろんなことに好奇心をずっと持ち続けて自由に人生を歩んでいってほしいと思います。

世界に視野を広げて、たくましく育ってほしいとも思います。昼間、保育園では日本語で話しているので、家では中国語で話しかけているんですね。そうすると、中国語も分かるようになってきていて、たいてい私が言っていることが、理解ができるようになってきています。シャンチャオ(バナナ)食べたいとか、パオパオ(抱っこ)とか、よく言っていますね。

 

夫(パパ) 日本と台湾、そして生みの親の国の架け橋になってほしいと思っています。いろんな場所に出向いて、いろんな人とコミュニケーションをとっていける人になってほしい。僕自身が旅行好きなので、迎えてからいろんなところに一緒に行っています。養子縁組成立後は、台湾をはじめ、海外にも連れていっています。小さな頃から経験を広げて、世界をまたぎ自由に羽ばたいていってくれたらと思います。

 

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知的好奇心が旺盛なC谷さん夫妻。

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その影響を受けてK美ちゃんも、自分を信じて自由に生きるたくましさを
身につけていっています。

 

養子縁組里親さんに関心がある方へ
~C谷さんご夫妻からのメッセージ~

妻(ママ) 大人だけの時間が長かった私たちですが、今こうして子どもを迎えてみて思うのは、子育ては本当に、やりがいがあるということです。子どもの成長も日々楽しめますし、私たち自身が、子どもの純粋な目を通してみた世界を体験できることもまた、素晴らしいことだと思っています。

 

夫(パパ) 社会的養護が必要な子の中には、外国籍の子もいます。手続きは大変でしたが、僕たちは、それ以上の喜びを知ることができました。みなさんにも、社会的養護のもとで暮らすこうした子どもたちをとりまく現実を、ぜひ知ってもらいたいと思っています。

 

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青空と、雲と。

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