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#02 Kさん家までの道のり - Tokyo里親ナビ|子どもと里親の暮らしを知るサイト

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お家までの道のり

 

#02 Kさん家までの道のり

Kさんご夫婦は、それぞれの夢や仕事を楽しみながら30代後半になってから出会い結婚、

不妊治療医療機関を受診し初めて、妊娠が非常に難しい状況であることを知りました。

不妊治療の後、ご夫婦二人の生活を一度は選択しましたが、その数年後に里親というかたちで子どもを迎え入れたいという思いに至り、里親登録しました。

里親認定を受けやっとほっとしたころ、児童相談所からRちゃんの紹介がありました。

それから約10か月間の交流を追ってみましょう。

 

里母Kさんは、児童相談所への道すがら、きっとワクワクするだろうと想像を膨らませていました。しかし、初めてRちゃんの写真を見たとき、里母Kさんは何かがしっくりきませんでした。Rちゃんの生い立ちの話を聞き、初めてKさんたちは、子どものバックグラウンドも全てを受け入れ育てる里親という立場や社会的養護について改めて考え、ともに生きていく覚悟が必要なんだと思いました。

児童養護施設で出会ったRちゃんは、お部屋の中をまるで忍者のようにさっさと走り、すっと隠れるとても元気な子でした。

 

 

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児童養護施設で交流(1st STEP

 

11月~2月 週2日

里母      平日1日、週末1日

里父      週末1日

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外出(2nd STEP

 

3月~4月中旬 近所の公園や公共施設、お祭り等

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外泊(3rd STEP

 

4月下旬~5月中旬 GW期間外泊

5月下旬~ 7月中旬 学校行事や施設の予定がない週は外泊

7月下旬~ 8月下旬 長期外泊、家庭訪問、委託措置決定

 

 

 

1st STEP 児童養護施設内での交流

面会初日、Kさんたちはとにかくドキドキ。施設職員さんのサポートのおかげで、恥ずかしそうなRちゃんともなんとかご挨拶することができました。

面会の回数を重ねるごとに、KさんたちとRちゃんのみでおもちゃで遊んだり、お絵描きしたり。平日は里母KさんとRちゃん、週末は里父Kさんも加わり3人で。

そして面会室からお天気の良い日は園庭へ。

大きいお兄ちゃん、お姉ちゃんたちと毎日走り回っていたRちゃん。園庭をぐんぐん駆けまわる元気なRちゃんに、Kさんたちはついていくのがやっとの状態でした。

この頃のKさんたちは、週末の施設への道中で、「今日のRちゃんはどうだろうね」と話し、帰り道では二人でその日の出来事を振り返り、元気だけどまだ心の中が見えないRちゃんとの距離を感じながら、少しずつなんとか近づいていこうとしていました。相談会等でよくきいていた3~4か月の交流期間位をイメージして、小学校の入学になんとか間に合うのかな?と淡い期待を寄せながら、まだ先の見えない交流を進めていました。

 

 

 

 

2nd STEP 外出交流

自分の自転車をもっていないRちゃんの憧れは“自分だけの自転車”。お出かけした公園では、レンタル自転車でグングン一人で進んでいきます。Kさんたちは、「どうしたらRちゃんと親しくなっていけるんだろう」そんなふうに悩みながら、交流の振り返りの時間に施設の職員さんに話を聞いてもらったりしていました。

かくれんぼが大好きなRちゃん。ある日、公園でかくれんぼをしていた時に、生垣に顔から突っ込んでしまいました。初めて見たRちゃんの涙。Kさんたちは、大泣きするRちゃんを抱え、慌てて施設へ連絡しました。お預かりしているRちゃんに一生残る傷を負わせてしまったら大変、と走って入った薬局の店員さんの「大丈夫よ」の一言にほっと一安心。店員さんに「ママ」と呼ばれ、ドキッとしたりもしました。

児童相談所と児童養護施設の判断は、焦らずお互いの関係性をもう少し深める必要があること、そしてRちゃん自身が学校生活に慣れる必要性があるとの判断から卒園後にすぐ里親のお家に行くのではなく、施設学区内の小学校に入学しました。桜の下での入学式。ランドセルを背負って笑顔いっぱいのRちゃんと写真も撮らせてもらえました。

 

3rd S TEP 外泊交流

極度の緊張なのか或いは乗り物酔いなのか、Kさん宅に到着した途端に嘔吐してしまったRちゃんの初めてのお泊り。

階段のあるお家や、3人でのご飯や施設ほど広くないお家の湯舟。

実家庭での生活経験がないRちゃんにとっては、Kさんのお家での全てがとても新鮮。ゆっくり時間を気にせず入れる湯舟での遊びにも大はしゃぎでした。

毎週末の外泊を重ねた後、夏休みの長期外泊。

いつも施設内のお兄ちゃんお姉ちゃん、お友達と大勢いる中で過ごしてきたRちゃん、一人遊びは苦手でした。Rちゃんもそして里母Kさんも2人だけの時間は、大切ではあるもののお互いに煮詰まるときも多々あり、そんな時には近所の公園や児童館へ行くこともありました。

児童館の職員さんにとても温かく受け止めてもらい、KさんたちもそしてRちゃん自身も新しいお友達ができて、とても助けられました。

山あり谷あり、施設の里親支援専門員さんや児童相談所の職員さんたちに沢山支えてもらいながら、正式に委託となりました。Kさんたちにとってここまでの道のりは決して簡単ではなかったですが、振り返ってみるとやはり必要な交流期間だったと強く感じました。そしてこの長い期間、施設とお家の往復を何度も繰り返し、頑張ってきたRちゃんの逞しい姿を心から愛おしく思いました。

真新しい通学帽を被り、Rちゃんの新しい学校での新学期が始まりました。

 

*このお話は、複数のご家庭からのお話を織り交ぜて構成しております。

 


 

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