#01 Aさん家までの道のり
長女の同級生の家庭が里親登録をしていて、そのお宅に2歳の女の子が来たことから里親になることを考え始めた里母のAさん。
里親認定を受けてから4か月後にCちゃんの紹介がありました。
それから約5か月間の交流期間を追ってみましょう。
児童相談所の職員の家庭訪問でAさんが初めてCちゃんの写真を見せてもらったとき、Cちゃんは1歳5か月。
それから、乳児院で初めてCちゃんに会ったときには1歳7か月でした。
Cちゃん、大きい瞳でAさんたちを見ていました。
乳児院で交流(1st STEP)
4月~8月 週3日
里母 水曜・土曜・日曜
里父/里姉 土曜・日曜
外出(2nd STEP)
7月 外出(保育士同行)
8月 外出(里親子のみ)
外泊(3rd STEP)
8月 自宅外泊(1泊2日)
8月 自宅外泊(2泊3日)
9月 自宅外泊(3泊4日)
9月 長期外泊
9月 家庭訪問
10月 委託措置決定
1st STEP
最初は保育士さんとCちゃんのやりとりを見ながら、Cちゃんへの接し方を学びました。
AさんたちはCちゃんのお部屋にいた二人の子どもとも一緒に遊びました。
部屋や中庭で遊んだり、公園に行ったり、周りを散歩したりしました。
Cちゃんはすぐに里父に慣れ、一緒に遊びましたが、Aさんにだけは人見知りしてしまいました。
そこで、保育士さんは交流のない日にもAさん夫婦の写真をCちゃんに見せてくれたりして、交流の日には別れ際にハイタッチとハグをすることを提案してくれました。
また、保育士さんは、自然の流れでAさんたちとCちゃんが遊べるように親子の空間を作ってくれました。
しばらくは保育士の後追いが続いていたCちゃんでしたが、少しずつAさんを受け入れるようになってきました。
交流を始めて4か月くらいして、Aさんたちだけでも公園に行けるまでになりました。
帰りには疲れてベビーカーでうとうと寝てしまうCちゃんの可愛い寝顔を、みんなで眺めていました。
2nd STEP
交流が始まってから5か月目、おもちゃ美術館へお出かけをしました。
1回目は保育士さんも一緒に、翌週にAさんたちだけで同じところに行きました。
いつも電車やバスに乗ると大泣きするCちゃんでしたが、初めての外出でも泣かないCちゃんを見て、保育士さんは「泣かないのは奇跡です!」と驚きました。
自宅外出は、AさんたちがCちゃんを迎えに行き、Aさんの家で遊び、お昼を食べて夕方にまた乳児院に帰るのですが、その前に乳児院の人が家に来て、家のなかで危ないところはないかを確認し、事故防止のアドバイスをくれました。
また家の中にいるAさんたちの写真を撮り、その写真をCちゃんに見せて「今度このおうちに行くんだよ」と伝えてくれていたので、CちゃんはAさんのうちに行くことを楽しみにしていました。
3rd S TEP
外出の次は、自宅外泊になります。
お泊りは、1泊、2泊、3泊と毎週続きました。
食事はCちゃんの好きなものを用意しました。
そのなかでも納豆を好んで食べていました。
初めての外泊は夜が心配でしたが、ご主人が見ている時にソファで眠っていました。
夜泣きもなく、「あははは」と笑いながら寝ていたCちゃんでした。
3泊4日の外泊を終えて、次は長期外泊になります。
といっても、これがほとんど乳児院からの引っ越しになります。
AさんはCちゃんに「みんなにバイバイを言って、おうちに来てね」と言いました。
保育士さんも「今度、お父さん、お母さん、お姉ちゃんと一緒にご飯を食べたり、ねんねするんだよ」と話していました。
引っ越しのときは、乳児院の子どもたちもみんな見送ってくれました。
この時、Cちゃんは2歳でした。
これからAさん家での生活がはじまります。
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